院長のひとくちメモ

64. 臨床的寛解、構造的寛解、機能的寛解とは

関節リウマチは発病当初、炎症により関節が痛んだり腫れたりします。これが続くと関節の破壊がおこり、ひいては日常の生活機能が低下して不可逆なものとなります。

治療の最終目的はこれらすべてを抑え込むことですが、現実にはなかなか困難です。非ステロイド性抗炎症剤、抗リウマチ剤などにより痛みや腫れがとれるとこれを臨床的寛解と言います。この状態が継続して関節破壊、機能低下がなければ構造的、機能的寛解も達成できたと言えます。

しかし、臨床的寛解状態(これは絶対条件)であってもなお、関節破壊(骨が解けたり、関節の間が狭くなるなど)が進行し、機能低下(階段の昇降、掃除、調理などが困難になる)が起こることがあります。

三つの寛解を達成するためには早期診断(骨破壊の起こる前)、早期治療が絶対条件です。ときには生物学的製剤の助けも必要になります。

リウマチの治療

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